自閉症児のいる父子家庭なのかな

妻は重度の意識障害で入院中、子どもは自閉症スペクトラム障害のパパのブログです。

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2006/08/07

自閉症裁判/レッサーパンダ帽男の「罪と罰」 佐藤幹夫

この本の面白さは被告人が自閉症であるという点から出でるものではない。また、若くして亡くなった被害者の女性の遺族の心情や、被告人の若い妹が末期がんという身の上にあるのでもない。
著者の、被告人や遺族に向き合う姿勢が面白い。
被告人に対する文章での姿勢は、被告人を対象化し、突き放している。例えば公判記録中、被告人尋問での拙い返答をそのまま書中に収める点であり、また、例えば検察側が主張する殺害の動機や証言の食い違いについて、員面調書等の矛盾を指摘し、自閉症特有の事情を考慮して考えうる動機を説明しているが、そこには被告人本人に寄り添ったような心情が見られない点である。
遺族に対する姿勢は、取材の途中から、遺族の苦しみや無念さにできるだけ耳を傾ける、そのようにしっかりと被害者に向き合うことが真の障害者支援ではないかと考えるようになっていく。そのため、「加害者の弁明めいたことをしている」著者は、大きな矛盾を抱えることになり、遺族からの言葉をただ書き留めるしかない場面が多い。
エピローグの妹の最後については、確かに心を動かされたが、話が急に展開しすぎる点が惜しい。
自閉症者である被告人についての感想であるが、現在の社会に弱者がいて、その弱者の上に中流と言われる人たちの生活があるという点では、生活保護も障害者年金も知らない「かわいそうな人もいる」という評価しかなされないし、その意味でノーマライゼーションという言葉は現代の社会にあってないが如しである。ただ、自閉症(スペクトラム症候群)が教師によく知られるようになってきたことには、少し希望を持ちたい。おそらく、何も福祉の恩恵を得られないという状況は少しは改善されていると信じたい。
また、自閉症児(社)が被告人であることについていうと、警察の捜査の段階では、普通の人が調査の対象になる場合でさえ警察の筋書きを変えることは困難である。加えて社会は「厳罰化」を望んでいる。裁判に自閉症についての理解を求めるにしても、今は時期が悪いように思われる。まずは、裁判後の、矯正教育施設での自閉症(スペクトラム症候群)への取り組みに期待したい。
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Author:あおの
50歳周辺の父親です。
妻は重度の意識障害で入院中、長男(15歳)は高機能自閉症で、長女(12歳)は自閉症の疑いがあります。

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